「咀嚼」( そしゃく)とは何なのでしょうか?
『咀嚼』は、食べものをかみ砕いたり、磨りつぶしたりすることです。
咀嚼は食べものを消化しやすくするために必要な機能ですから、食事から栄養をとる人間にとっては健康維持に必要不可欠なことです。
当然、虫歯で歯が痛むと…正しい咀嚼ができなくなります。噛み合わせが悪いと…正しい咀嚼ができなくなります。
「咀嚼」は、口の役割、歯の役割そのものとも言える、とても大切なことなのです。
「咀嚼が健康の増進になる」というのはナゼでしょうか?
咀嚼と健康は、密接に関わっています。
健康でいるためには、身体骨格が安定しており、美味しく食べられる状態である必要があります。そのためには、歯が壊れないくらいの歯の適度な摩耗・接触面積が必要です。
これを促進するのが、咀嚼回数を増加させることです。
では、咀嚼回数を増やすためはどうしたらよいのでしょう?
よい姿勢でお行儀良く、正しい生活を送ること。そのために、正しい心を持つことが大切なのです。
普段の生活では、何ができますか?
もちろん、「歯磨き」で歯を清潔に保つことは大切です。
そして、先ほどお話ししたように咀嚼の回数が増えるような生活を心がけてみてください。
歯は、食べものを噛むことで少しずつですが、表面をすり減らしています。これにより、適度な接触面積が獲得されます。
これが、身体全体の安定にとって重要です。
さらに「噛み切る」「すりつぶす」「味わう」「美味しく食べる」といった歯の役割を正しく保つためにも必要なことです。
歯を「適度にすり減らす」ために必要なことこそが、正しい咀嚼で、いつも同じようにモグモグ食べることなのです。
この「正しい咀嚼」は、お行儀よく食事をすることや、健康な食事をする、ジャンクフードを食べない、よく歩く、といった正しい生活が土台となります。
足を組んで食べる人は徐々に噛み合わせのバランスが悪くなってきますし、事故などで首がずれて一気に咀嚼が弱まってしまう方もいらっしゃいます。
咀嚼は生活すべてによって決定されることですので、「正しい咀嚼」を意識し、それを健康のための予防策としてください。
先生は、治療の中でも「咀嚼」を意識しているのでしょうか?
もちろんです。
まず、『咀嚼』を決定づけるものは2つあります。
1つは、かみ合わせや歯ならびといった「口の中の要素」。
2つ目は、顎の関節や筋肉の動き、姿勢といった体の健康状態。つまり「口の外の要素」です。
「咀嚼機能研究所」でもある当院では、的確な診断とアドバイス、そして治療を通してこの2つの方向から患者さんの咀嚼機能の育成・維持・回復のお役に立ちたいと思っています。
ですから、すべての治療において「咀嚼」を意識して進めていますね。
治療途中であっても、なるべく咀嚼がしっかりできて、ごはんが美味しく食べられる状態を維持しながら治療を進めていくことを心がけています。
ただ単に痛みを治すのではない、歯をキレイにするだけではない。
「現状よりも正しく咀嚼できるようになるのか?」を常に考え診療をさせていただいております。
歯は書き換えることができない「人生の履歴書」なんです。
咀嚼機能の充実は健康に輝く歯と素敵な笑顔をもたらしてくれます。
よい咀嚼をしてハッピーライフを送りましょう。
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